医師におすすめノートアプリ「Obsidian」で自分だけの医学ウィキペディアをつくろう

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医師にとって、膨大な医学知識を整理し、日々の診療や学習に活かすことは極めて重要です。

多くの医師が、紙のノート、Word、PowerPoint、Macのメモアプリなど、さまざまなツールを活用していることと思います。私自身も多くのツールを試した結果、最終的に「Obsidian」というノートアプリに落ち着きました。

後日、具体的な使い方について詳しく紹介しますが、今回はObsidianが医師にとって最適な理由を3つにまとめます。


Obsidianが最高のノートアプリである3つの理由

自分専用の医学ウィキペディアを作れる

Obsidianのノート同士のリンク機能により、情報を簡単に関連付けられます。

リンクの作成は 角括弧2つずつで挟むだけ( [[ ]] )

たとえば、あるノートの本文に[[腹痛の対応方法]]と書くと、「腹痛の対応方法」と表示されたリンクが作成され、クリックすると「腹痛の対応方法」というノートに飛びます。

もし「腹痛の対応方法.md」というファイル名のファイルが存在しなければ、リンクをクリックしたときに自動的にファイルが作成されます。このようなリンクを簡単に作れるのは便利です。

実際の私のノート

私のObsidianの画面です。ノートリンクを説明してます。

「糖尿病」ノートに、「糖尿病の合併症」をまとめています。その一つに「Dupuytren拘縮」があり、クリックすると、自身ですでに作成した「Dupuytren拘縮」というノートに瞬時に飛ぶことができます。ブラウザのように使用できるので、「戻るボタン(←)」をクリックすると、「糖尿病」ノートに戻ることができます。

以上のようにリンクを簡単に作成できるので、バラバラに記録された情報が自然につながり、知識のネットワークが形成されます。

EvernoteやNotionでもノート間のリンクは作れますが、Obsidianのほうが直感的で簡単です。

検索速度が異常に早い

Obsidianは圧倒的な検索速度を誇ります。私のObsidianにはノートが27,367個あるのですが、遅いと感じたことはありません

以下のGIFを御覧ください。検索窓に「糖尿病」と入力すると、そのワードを含むノートが瞬時に表示されます。

Obsidianでノートを検索している様子です。

Google検索でも「糖尿病」に関する記事は見つかりますが、記事が多いがために、自分にとって必要な情報にすぐにたどり着くのは難しいこともあります。

一方、Obsidianでは自分が作成したノートのみを検索対象とするため、不要な情報に惑わされることなく、求める知識に素早くアクセスできます。

サービスが終了してもデータが残る

クラウドベースのサービス(EvernoteやNotionなど)では、提供元の企業がサービスを終了した場合、データが消失するリスクがあります。消失はせずとも、データを移行する手間が生じます。

一方で、Obsidianはローカル保存を前提としており、仮に開発が停止しても手元のデータはそのまま残り続けるため、失われる心配がありません。

また、Obsidianのデータ形式はMarkdown (.md) ファイルであり、汎用性が高く、他のエディタやアプリでも開くことができます。

ローカル保存とは、データやファイルを自分のコンピューターやスマートフォンの内部ストレージに保存することを指します。

私の医学知識のまとめ方の変遷【なぜ他のツールは使わなくなったか】

紙のメモ

手早くメモを取ることができ、メモ帳全体を俯瞰しやすい点が魅力でした。しかし、検索が難しく、必要な情報にすぐにたどり着けないことや、メモ帳が増えると持ち運びが大変になることが課題でした。そのため、医学知識の整理には向かないと判断し、使用をやめました。現在は、ちょっとしたメモやアイデアを書き留める用途で活用しています。

Evernote

数年間使用していました。画像内の文字検索が可能で、あらゆる情報を保存できる点が非常に便利でした。しかし、以下の理由で使用をやめました。

  • クラウド型のため、起動や検索に時間がかかることがあった。
  • 無料版の端末数に制限ができ、使い勝手が悪くなった。
  • クラウドサービスのため、サービス終了時にデータが失われるリスクがあると感じた。

Notion

高機能なツールであり、使いこなせば非常に有用だと思います。しかし、私には以下の点がネックとなり、継続利用には至りませんでした。

  • ノート間のリンクがやや煩雑で、手軽に使えるツールではなかった。
  • クラウド型サービスのため、Evernoteと同様に起動や検索に時間がかかると感じた。

まとめ

  • Obsidianは単なるメモアプリではなく、「知識を育てるツール」です。医学知識は単発の情報ではなく、関連性を持たせて蓄積することが重要です。Obsidianなら、バラバラのノートが自然につながり、知識が進化していきます。
  • 検索が早く、必要な情報にすぐにたどりつけます。
  • どんなアプリもサービス終了のリスクはあります。Obsidianはローカル保存型のノートアプリのため、サービスが終了しても、データが失われることはありません

知識の整理に悩む医師にこそ、Obsidianは最適な選択肢だと私は思います。

今後、細かい使い方なども記事にしていく予定です。

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